今日はお休み、そして雨・・・


 ずっと昔、この島に火力発電所ができることになって

 それでは 海が壊れてしまうからと

 それでは 空気が汚れてしまうからと

 多くの島民が反対して

 その代表を務めていた人が ハンストをして亡くなっていった

 彼は 黒々とした美しい目の人だった

 彼の死を記念して建てられた碑が 

 電力会社を見下ろす丘の上にあって

 今日は その前でいく人もの人たちが 亡くなった彼を偲ぶ日

 ずっと昔の戦っていたあの頃を知る多くの人がやってきて

 色々昔語りをしたり 旧交を温める日

 もちろん 今を語り 未来を語ろうとする日

 そこへ 連れ合いと二人で行こうとしたが

 体力不足と 春の妖気に負けてしまって行けなかった

 春の妖気は 宇宙の揺さぶりの賜物・・・

 3月は 大好きだった母が倒れた月

 それから 2週間経って母は逝ってしまったけれど
 
 その記憶を蘇らせるのは いつも春の妖気・・・

 人の命はあまりに儚い 

 その合間をぬって何とか生きる日々

 大好きな人も必ず死ぬと そう教えてくれたのは母の死

 人間の死という 誰も避けることができないことを

 どうやって受け止めればいいのかを

 自らの命の終わりに教えて逝った母

 春の妖気に 

 心も体も揺さぶられながら けっこうしんどいけれど

 これに被われて この世を離れるのは

 もう少し後がいいな・・・

 それにしても 年々 こんな春の

 宇宙の揺さぶりの意味が 

 身をもってわかってくるというのも おもしろい