生きようって、生きようって・・・

 ずっと家族にそんなふうにいっていた

 連れにも 息子にも 生きようっていってきた

 生きることへの恐れとか 

 生きることへの不安とか

 人一倍ある 私の家族だから

 これは私が 人生で最も多くしゃべってきた言葉だった

 思えば変な人生だったなと思う

 こんなことばかり 家族に言い続けるなんて

 おかしいに決まっている

 そんな家族は 

 さっさと棄ててしまえばいいじゃないかって

 そんなことを 思わなかったわけでもない

 でも どうしても どうしても 

 できなかった やっぱりできなかった

 生きられない人を 愛するって

 当然のことなんだから

 生きられない感性を 愛するって

 当然だろうって

 変なの そんな風にしか思えない

 生きられない人のそばで生きるのが

 私の人生と 神様が決めたかな

 この仕事が終わったら 神様の所へ行こうっと

 でも まだもう少し 私の仕事は残っているな

 そういえば 仕事場で

 生きられない若い子たちが

 たくさんいるんだから

 私の そばで生きているんだから