後七分で眠る予定だけれど・・・

 福島第一原発の4号機が、なお一層とんでもない状況になりつつあるとの情報に触れた。
 
 人類が経験した初めてのとんでもない原子力発電所の事故だと、小出さんが、事故直後に発言していたのを聞いていたが、いつもどこかで、そういう状況が、ほんの少しでも改善してくれないかと勝手な願いを抱き続けていた。
 
 でも、そういうわけにはいかない。何より、現場付近の人々をはじめ、東日本全体がこの事故に関してはとてつもないことになっているのに、西の九州の果てにいることをいいことに、自分の中にどれほどの危機感があるのか正直疑わしい。
 
 多くの人が、私のように愚かな感覚に生きてはいないだろうか。いや、それは十分ありうると思う。
 
 言わんとするのは、真の「現実」からの実際的な距離が、その人間の認識を曖昧なものにして、どこかお気楽な状況に、自分自身を導いてしまうのではないかということを、まさに、自分に問いかけながらいるということ・・。

 なぜこんなことを考えているのかといえば、この国の権力者の信じがたいほどの軽薄さ、傲慢さ、無知、ありとあらゆる「悪徳」を一手に引き受けたような姿を見ながら、これはまずは、彼らの多くが、特権的「階層」の故かと思ったりしたからである。

 たとえ実体験がなくとも、一つの問題を考えるうえで、知的な積み重ねの中からヒントを得て、想像力を働かせ、その問題の真の姿に迫ることは当然できることだろうと思うけれど、そうした過程が、まったくといっていいほどない。

 しかし、結果として私たちは、そういう人間たちを権力の座に押し上げてしまっている。繰り返しになるが、私たちが押し上げたのである。

 なぜだ、自分の首を絞めるようなそんな権力者を自分の手で権力の座に上げてしまう民衆の有り様についても、なお、検証が必要だと思っていたら、もうすっかり夜が更けてしまった。