母の日に思ったこと

夕食後のひととき、二階から降りてきた息子が
「コンビニに行ってくるね」と出かけて行った。
「煙草?」と聞くと、「うん、ちょっと」という。
「いってらっしゃい」と送り出して、ほどなく帰宅。
「はい、今日は母の日だからこれ」と袋から出してくれたのはかわいいショートケーキ。
「オヤジにはコーヒーゼリーを買ってきた」と連れ合いにも心配りをしてくれた。
そのあと、すぐに「とーちゃんも今食べるみたいだから、こっち来て一緒に食べれば」と
またまた、息子の呼びかけ。
「うん、そうする」と返事をしながら、ケーキを持って居間へ行くと、
連れ合いは、コーヒーゼリーを食べ始めていた。
それから二人の素敵なティータイムを、深く感謝しながら一緒に食べる。
思えば今日私は、ある家にお悔みに行ってきたのだった。
友人の弟が亡くなって葬儀の知らせを受けたのは一昨日のこと。
それへの出席ができず、今日の午後訪問すると、
実は彼は自ら命を絶ったのだと知らされ呆然とする。
その悲しみが込み上げてきたのだ。
優しい息子のこころづかいに、
生きてあることの深い意味を思わずにはいられなかった。