思っていること・・・

 これまでの人生で求めてきたことは

 やっぱり 人間が幸福になるために

 どうしたらいいのかということだった

 いつも それだけがテーマだったと

 いくら思い返しても そう思ってしまう

 人間の幸福とは

 他の この地球上の生物と

 どうやって共存していけるのかということも

 もちろん あったから

 なにはともあれ 幸福というのは

 出来る限り いろんな存在が 

 一緒に生きていけるということに他ならなかった

 いろんな形質のものが 

 いろんな形質であることを

 認め合いながら 支えあいながら

 生きていけるといいのにって

 幼いころから そんな風に思い続けて

 こんなに年月を経てしまっても

 ほとんど 心は変わっていないなって

 時々 確認したりもする

 でも そうはいかない・・・・

 強いものが 弱いものを痛めつける

 その弱いものが もっと弱いものを痛めつける

 そうやって 次々に 力は下方に向かっていき

 今 そのとどまるところを知らないこの国と世界と・・

 
 福島原発事故の後 世界は変わってしまったという

 そう言い続けて 原発事故の後

 日夜 日本中を駆け回り

 「反原発」を訴える学者の発言を

 近頃では特に 一日一度は聞きたくなる

 彼は 「反原発」に立つ「原発」の専門家だ

 「原発」に夢を託してその世界に入り

 「原発」の危険を訴え続けることに生涯をかけてきた人

 その生きざまを日々つかみ直しながら

 きっとわたしは 

 「希望」の意味を確認して

 「絶望」を振り払おうとしている

 毎日 毎日・・ そんな繰り返しをしている  

 ある雑誌が彼のことを

 「冷や飯を食わされた反骨の学者」と書いた

 人間が幸せになるようにと

 入り込んだ世界が 

 人間を殺すところだったとわかった時

 その世界を告発することで

 人間の真の幸福を求めようとする生き方

 そのいちいちの理解と認識は

 それほど難しいと思えないが

 それを心のままに行動することが

 至難なことである社会を

 どうすることもできないのか・・・・

 私自身だって

 こういう経路がなかったわけでもない

 だが 満足には動けず

 心を丸く畳んで どこか明るくなれないまま

 呵責の中に 生き続けている

 それでも毎日 出来ることは何かと

 やっぱり探し続けて 

 遅々とした歩みの中に

 生きているわたしだ