一人で昼食、500円のお弁当を買ってきた


無農薬の食材、有機栽培の野菜やコメが売りの店で


他にも、小松菜人参、それから玄米コーヒーなんかを買い求める


思えば、「無農薬」も「有機」も


なんとも空しく響いてしまう


福島原発の事故の汚染で


世界中が変わってしまったと言われている


汚染から逃れられないものばかりだと


原子力の専門の研究者が言う


それでも 何かを口にしなくては生きられないから


みんな 事態をしらないまま


あるいは知らなかったつもりで


おいしい おいしいと


食事をしている


なんだか悲しい事態だけれど


地球の終わりが来るまでは


誰も どうすることもできないのだろう


ただ これ以上は 事態を悪くしないように


わたしたちができることは


それだけだと やっぱりそれも言われている


これ以上、事態をわるくしないこと


それだって 実は危うい


実は 徹底して危うい


人間は 賢くは生きられない動物なのかもしれない


そんなことをかみしめながら


一人で 静かに弁当を食べていた


部屋には 昨夜 猫が殺してしまった


ゴキブリの足があった


庶民の家の 昼下がりなんて


こういう光景が似つかわしい