二人で眼科へ

 昨年の夏の目の負傷で、連れ合いの片目は

 視力がガタッと落ちて、不自由な暮らしが続いていた。

 事故直後に病院受診をして以来、眼圧を下げる薬の投与を続けたが、

 それもなかなか、完全な回復ということにもならず

 再び今年になって受診すると、今度は緑内障白内障

 両方の薬をもらって、根気よく点眼することを指示されて、

 現在に至っている。そして、今日、また受診。

 私も疲れ目で、薬をもらい続けているので、一緒に病院へ。

 老夫婦が一緒に眼科へ行く。その医院まで車で15分くらい。

 その間も、春のあたたかな日差しの中、ぼそぼそと

 静かにいろいろ語り合う。それから医院へ到着して

 待合室で二人で待つ。落ち着いた時間が静かに過ぎる。

 やがて名前を呼ばれ、各々が受診。連れ合いは眼圧の数値など

 現状維持の模様。よかった。状態悪化ではないことを感謝する。

 死んでいくその日まで、自然に衰えていけるように願う。

 互いに、そうやってゆっくり最後の力を少しずつ出して、

 支え合えれば、こんな幸せなことはない。

 もちろん、ただ、そういうことだけではなく、

 この国の崩壊に、どう向き合っていくかを、

 二人各々の方法で、模索し行動していくことを

 忘れてはいないつもりだ。