大地震から一週間がたった。まだ、予断を許さない。この地震でひどい状態にある人が、どれほどの不安の中にいるかと思うと、心が沈んでいく。
でも、どうか、生きていってほしい。力のない人が生きていけないなんて、あまりに悲しい。
朝から、そんなことを思いながら憂鬱になっていた。
ずっと以前、何かの折に「棄民」という言葉を遣ったことがあったが、それに対して、
国家を上に見るような言い方ではないかと指摘されたことがあった。
いや、そんなことはない。国家は民衆に支えられてこそ存立しているが、
それゆえにまた、権力は集中して、国家の実権は強大になる。
民衆に支えられながら、民衆に痛手を与える力を保有し、その力を強めていくのが国家権力だ。
だから、国家権力の思い通りに、民衆が棄てられていくという事態は、いつだって起こるのだ。
これほどの大災害が起こったにも関わらず、日本の国家権力の「棄民政策」加速している。
絶対的に強い者が、絶対的に弱い者を苛め抜き、捨て去っていく現実に、心が折れそうになるが、
怒りの火だけは、決して絶やすまいと思っている。