もう、いいな・・。

 今日、あらためてかたい決心をする。

 一人の少年が、そのきっかけを与えてくれた。

 その少年を理解し、その少年の立場に立って、

 事態を処理しようとした職員たちがいたのだ。

 それが私に、職場を離れるという決心をつけさせた。

 そこはもう、教育現場ではない。

 自分たちに与えられた時間の中で、子ども達を育てることが

 目的のはずではなかったか。

 でも、もうそれはふかのうだ。

 大きな顔をして、職員室に乗り込んできた少年の理屈は

 あまりにも幼い自分勝手なものだったが、

 それを受け入れ、丁寧にやり取りをするのが

 教職員の姿だった。

 それが冷静に対応するということだったのか。

 いや、ちがう・・。

 今日は6年間働いた職場を離れると決意した日。

 記念すべき日だ。

 自己中のその少年と二年半も付き合いながら、

 大事な心の世界を、育てることができなかった事実だけが

 目の前にある・・・。

10月5日、月曜日。 すっかり秋、

 来年の今頃は、どこでどうしているかな。