一人 へや・・・

 

部屋は暗い 日がささないから暗い 

 洗濯物がつるしてあるから もっと暗くなる

 雨が時々 激しく降る

 だから湿度が高くて 除湿機が休む暇もない

 除湿機をほぼ一カ月使い続けてみると

 電気代も もちろんあがる

 なんてことだ 

 貧乏人は しんどさを受け入れ

 それを少しでも 取り除こうとすると

 電力会社に 高い電気代を払う

 そのために働き そのために命をすり減らす

 それが 世の中の仕組みになって久しい

 抗おうとした 抗おうとして生き続けたが

 もうすでに その力も乏しくなった

 頼りない家族と一緒に生きてきた

 だが頼りない家族の 豊かな感性に

 自分の命が支えられてきたのだ

 その立っている場所で その人なりの懸命な心遣いに支えられて

 その姿に 感動しながら 生きてこられたのだ

 こんな生き方が あっていい

 いまこうして書いていても

 私の心には 家族の姿が思い描かれて

 愛しさがこみ上げる

 イスラエルの攻撃で ガザの人々が殺害される映像を目に焼き付ける

 これほどに残忍な これほどに愚かな人間の仕業に

 涙がこぼれおちる 私の無力さよ

 弱さとは こういうことだ

 無力とは こういうことなのだ

 富と権力が限りなく増幅して

 貧しい者たちを 殺し傷つけ 追い立てていく現実の

 そのやられる側の実感を 

 自らの 無力をかみしめながら

 しみじみと思う

 かろうじて残っている理性を 大切にしていこう

 だからこそ 苦しみの意味もまた別に

 深まっていくのをだろうが

 それが 私が選んだ道 こうなることを予測し

 そうなることでこそ 

 人間として生きられるのだと 意気高く歩きだした道だったのだから