パン屋の帰り道で・・・

人生にはいろいろある。
幸福で充実した人生もあれば、いつもいつも、うまくいかず、
仮にうまくいったとしても、それが次につながらずに、
次々に自信を失い、どうしていいのかわからず、
心の内側でグルグル回ってしまうしかないような状況になり、
今日も、明日もぐだぐだしてしまう そんな生き方をしてしまう人もある。
やっぱり自分には、後者の人生を歩く人が近しい。
そこにもう、ずいぶん長いこと寄り添い続けている自分のことを想っている。
なぜだろうか。義務感でも責任感でもなく、もちろん同情でもない。
その人が人間の本質をあからさまにして生きているように思えるからだ。
そんな人に限って底なしに優しい。
その優しさは、この世では価値を持たないように見えるけれども、
そんな優しさ以外に、他にどれほど意味あるものが存在するだろうか。
ないと思う。少なくとも私は、それ以外のものに感動することはない。
もともとこの世の成功なんかにほとんど興味はなかったけれど、
昨今はいよいよこれは信念になった。