女たちが泣いている

なぜ そこで女が泣いているのに
通り過ぎるのですか
その姿を見ているのに
その声を聞いているのに
なぜ、通り過ぎてしまうのですか
女の悲しみのわけを
聞かないで行くのですか
それでも 地球は回っているからですか
日は沈み 日はのぼってゆくからですか
女なんて ものの数じゃないから
だから 女の悲しみは 
誰からも 癒されず
誰からも 拭ってはもらえないのですか
でも ものの数じゃない女は
それでも 優しいのです
生きてゆけなかったり
暮らしてゆけなかったりする男たちを
ほってはおけず 一緒に歩いてきたではありませんか
病んでゆく男たちを介抱し
心崩れてゆく男たちを 何とか支え
日夜 生きなおそうとしてきたではありませんか
ああ なんでこんなにも大勢の女たちが
静かに 音もたてずに泣いているのでしょう
決して 運命とはいいません
女たちの 悲しみこそが 
この地球を支えているからでしょうか
だから 決してやむことのない女たちの悲しみ
でも もう 終わりになればいいと思います