(どんなにつまらないことでも、本当に、つぶやく・・・)

朝、起きて一枚の食パンを焼き、目玉焼きをのせて食べる。
1人で、縁側で、K君がやっているみたいに
庭に向かって、ぼそぼそと食べる。
美味しいとも思えない。
目玉焼きはK君が焼いた。
三つ、二つは自分が食べて、一つは私が食べた。
「僕はどうもパンが弱くてね」という。
それで、目玉焼きだけを二つ食べた。
どうやら軽かったようだけれど、
脳梗塞をおこして一年になる。
卵二つはいき過ぎだと思うが
そういうことを考える回路がK君にはない。
神様が与えなかったのだ・・・。
焼酎もたばこもすっかり元に戻ってしまった。
悲しくなると焼酎を飲み、
考え事をすると次々に煙草に火をつける。
それでも、つい昨日
友人が注文してくれた「机」が出来上がった。
美しい品物だ・・。
形も、高さも、つやも、4本の足の太さも曲がり具合も
その前に座って永い時間、
一冊のノートに 今日の思いでも書いてみたい。



この机の最初の姿を知っている。
海を流れてきた「流木」だった。
K君は、流木でいろんなものを作ろうとしている。
それを売りながら、日々の糧を得て
死ぬまでの、私とK君の暮らしを立てようとしている。
「流木」が私とK君の飢えをしのいでくれますように・・・
そんな祈りでもって、
私は今日も頼りなく、何とか歩いている感じです。