人間を棄てない。

午前11時10分、暑い、夏が舞い戻ってきたような暑さ。気温はと、隣りの部屋に見にいったら、「30度」と連れ合いが答えてくれた。
残暑の中、冷房なんかままならない庶民は、へとへとになる。さらに、こういう天気が続いたとして、庶民の「へとへと度」は、ますます高まっていく。
それが実は異常気象だったりしても、自然がめぐり行くことに人間など全く無力だし、暑ければ、暑いと、生身の体は必死に耐えてくれる。
ところで、こうしたおそらくは多くの人々の実際の状況を、ほとんど全く理解することもない人々がいる。その人々がこの国の政治的権力を握っている。
一握りの桁違いの金持ち達が、力のない弱い立場の人々の命を、虫けらのように踏みつぶしている。後7年たった2020年。東京でオリンピックが開かれることが決まった。
日々、福島原発は破滅的な状況になっているというのに、数えきれない人々が故郷を追われていったというのに、何より子どもたちの被曝が続いているというのに・・だ。
この国は狂っている。その狂気の度合いも、もはや半端なものではない。安倍首相のような人間を首相の座に置いてしまったことを悔いたところで後の祭りだ。
昨今の日本社会を見ていると、人間は自滅の過程であっても、日々を営む、むしろ自滅する方向へ、自らも加担しながら、一歩一歩、歩いてゆくものだということがわかる。
その勢いは、何かが磁石に引き寄せられてゆくような感じに似ている。安倍首相の目も覆いたくなるような「嘘」が世界に発信されたが、それを聞いて、「変?」と思ったか否か。
いや、ここが重要だ。「変だ」「変だと思う」「変だけど首相が言ったんだ」「変じゃないだろう」「そんなことよりオリンピックだ」と反応はいくらもある。
「人間の命などどうでもいい。どこのだれが死のうと生きようと、東京でオリンピックがあるんだから、すごいじゃないか。」大方がこういう思いになっていくのか
いや、何よりも人間の命だ。誰の命であれ、人間の命だ。人間をバカにするな。人間を踏みつけるな。もう、ごり押しの現実に流されまい。
人間を失う行為に加担すまい。私はオリンピックに反対する。中身ではない。日本でオリンピックをやることに反対している。今、この時期の非道な決定に反対する。