君は東京に行くといいよ
こともなげに言った
この家を支えて
かろうじて持っていた私が
仕事を失ったら
私にどうやって生きろと言うのかって
どこか強く、どこかこともなげに問いかけてみた
悲しそうな顔になった
もう、私を食べさせてなどいけないと
この先、到底その自信はないから
君は好きなところへ飛び立ってと
素直に 素朴に 私のためにもと
思ったのだろうね
焼酎をやめて
しっかりと私を抱きしめてって
実はずっと昔から頼んでいたけど
君は出来ないまま
今日まで来ちゃったね
だから それなら これからを生きようって
そういうことも ついこの間
かあるく かあるく言ったつもりだったのに
年よりは10歳も老人になった君の
しわだらけの、真っ赤な顔を見ていたら
涙が止まらなくなっちゃったんだ