なかなか良い名前が思いつかない。
「備忘録」なんて、何とも固くて、つまらない名前だと、よくわかっている。
もし、これはいいと思う名前を付けられたら、
私の日々の記録を、今日も、明日も、その次の日もという具合に、
心楽しく充実して、書き続けることができるだろうと思っている。
けれど、どうしても、今すぐには、よい名前が見つからないのだったら、
「備忘録」は、仮の名前ということにしておこうとも思っている。
今日は、友人を介して30キロの米を、いっぺんに買うことができた日だった。
その友人とは、自宅から車で40キロほどの苓北町で,
待ち合わせて、お米を受け取った。
雨模様だった上に、米が重いことで、
友人に、何もかも頼ってはいけないと思ったこともあって、
Kにも一緒に行ってもらった。
その一方で、Kに同行してもらったのは、
久しぶりにKと一緒にドライブをしたいと思ったからでもある。
苓北町までは、海沿いの道を走る。
目の前は空と海。天気が悪くても、視界が開けている中を車で走るというのは、
心が晴れ晴れしてくる。
まして私は、Kに車の運転を任せ、
助手席で、なんの不安もなく、安心して座っているだけなのである。
それにしても、車内空間というのは、
つくづく二人だけの世界だなと、あらためて気づかされる。
ずっと若い頃、やはり、Kと二人でドライブをした時の、
懐かしい記憶が思い起こされた。
Kと一緒に暮らし始めたのは一九七三年二月二十五日。
あの日から、数えきれないほどのことを乗り越えて、
ずいぶん永い時間が流れたなと思う。