一つ一つ片づける日々・・・

 今日は、年賀状を6枚書いた。

 年老いた姉妹たちに、「お元気ですか。私もなんとかやっています。」と、そんな感じで綴っていった。

 今年はすべて、私が万年筆で書いた。

 文字ばかりを書き続けるのは大変かなと思ったけれど、意外にも、とても気持ちがよかった。

 文字を書いて、のびのびとした文字が書ける幸福感を味わう。

 暮れに書道の昇段試験に合格して八段になったこともある。

 六〇歳から七年間続けて練習して、自分の字が好きになったような気がする。

 堂々とした大きな字が、私の字の特徴かなと思う。

 昔、瀬戸内寂聴(当時は瀬戸内晴美)が書いた「美は乱調にあり」という題名の小説を読んだとき、

 関東大震災の折に、大杉栄と一緒に惨殺された、あの伊藤野枝

 やはり元気のいい、堂々とした文字を書く人だったと知って、

 なんだか自分の字が、とても誇らしく思ったことが懐かしい。